現役スタッフインタビュー!グランドスタッフにLCCの旅客ハンドリングについて聞いてみた!

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現役スタッフインタビュー!グランドスタッフにLCCの旅客ハンドリングについて聞いてみた!

航空業界で働く現役スタッフインタビュー第2弾です!
今回はLCCの旅客ハンドリングを担当しているグランドスタッフさんにインタビューしてきました。
フルキャリアも担当されているハンドリング会社の方なので、フルキャリアと比較したLCCハンドリングならではのいい点や苦労する点などについて聞いていきます。

―それでは本日はよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。

―まずは簡単に自己紹介からお願いします。
はい、エアライン系の専門学校を卒業後、新卒で今のハンドリング会社へ入社して現在7年目です。国内航空会社の国際線と国内線、LCCの国内線の旅客ハンドリングを担当しています。

―入社後どういったキャリアで複数の業務を担当するようになったのでしょうか。
入社後の配属は国内航空会社の国際線でした。まずは3年間みっちりここで旅客ハンドリングのイロハを身に着けました。4年目の途中で国内線も兼任するようになって、6年目からLCCも担当するようになりました。国内線ではオペレーションを統括するインチャージや新人教育も担当しています。

―複数の業務は全て兼任で勤務されていらっしゃいますか?
はい、運航スケジュールやシフトによって比率は異なりますが、同時に担当しています。午前中は国際線を担当、午後からLCCを担当であったり様々です。

―同時に複数の業務を担当する難しさは何でしょうか。
飛行機を1便飛ばすおおまかな流れはさほど変わりありませんが、やはり使っているシステムやハンドリング方法であったり規定も異なるので、それらを1から覚えるのは大変ですね。

【LCCならではの大変な点】

―なかでもフルキャリアからLCCも担当するようになった時の違いや大変さはいかがでしょうか。
私の場合は規定を覚えるのと接客方法が1番大変でしたね。システムの操作手順やハンドリングの流れは既に身についていたのでそれほど抵抗なく覚える事ができましたが、航空会社ごとの細かい規定とお客様との接し方は違うので、今も少し苦労しています。

―お客様との接し方とは具体的にどう違いますか?
もちろん、どの航空会社のどの便を使うお客様にも丁寧にご案内する事は大前提なので、表情や態度や言葉遣いに差はありません。ただLCCは安く手軽かつ安全に乗っていただく為に細かい規定があるので、制限がどうしても多くなります。あとは少ない人数で限られた時間の中でやっていかなければならないので、できる事はできる。できない事はできない。と、より簡潔にお客様には話すようにしています。

―丁寧さは失わずに短く的確に案内する難しさでしょうか。
その通りですね。例えばフルキャリアの飛行機と同じ機材を使っていますが、LCCは座席数が多いです。つまり何が言えるかというと、機内の収納量は変わらずともお客様の人数が増える事になります。そうすると必然的に機内に持ち込んでいただける手荷物の個数や重量には制限が必要です。
この説明をお客様1人1人に丁寧に説明して納得してもらう為の時間と人数はいないので、失礼がないよう簡潔にお伝えしなければなりません。

―そこで心がけている事はありますか?
例えば「この荷物は重量オーバーで機内持込みできません。預けて下さい。」といきなり言われたら誰だって気持ちよくないはずです。ですので、どんなに時間がないなかでも否定から入らない事を心がけています。

―具体的にはどんなテクニックはありますか?
表情と挨拶とワンクッションですかね。プラスお客様の名前が分かればお名前で呼びます。あとはお客様の為に選択肢を提示する事もですかね。
先程の「この荷物は重量オーバーで機内持込みできません。預けて下さい。」を変換するとなれば、
「こんにちは。○○様、恐れ入りますがこちらのお手荷物はお持ち込みいただける重量を超えております。重量のご調整をいただくか、お預けいただく事でご案内が可能でございます。」
といったようにでしょうか。あとはタイムプレッシャーに自分が負けない事ですかね。
細かいテクニックはたくさんありますが、まだまだ勉強中です!(笑)

―ほかに苦労している事などがあれば教えていただけますか?
はい、搭乗券の発行履歴があるお客様の捜索ですね。
最近でこそLCCがどういうものなのか浸透してきていますが、まだまだ飛行機に乗り慣れていない方の利用が多いです。新たに「飛行機」という交通手段を選択をしていただける事は嬉しい反面、予約表や搭乗券、空港内の案内板などで手続き方法の案内を充実させていても「何時までにどこでどんな手続きが必要で、どこに行けばいいのか」を分からず手続き時間に間に合わない方が多数いらっしゃる現状です。
限られた人員と時間のなかで行う捜索には苦労しますし、私たちも全てのお客様を安全に定刻で出発させる事に全力ですから、搭乗に間に合わない方を残して出発させるのは心が痛みます。

―そうなんですね。きっとこの記事で苦労を知った方は手続き方法をよく確認してからいらっしゃると思いますよ。(笑)
是非お願いします!(笑)

【LCCならではの良い点】

―LCCならではの大変さは伺ってきましたが、逆に良い点も伺えますか?
もちろんです!
まず1つ目は、今話してきた制限が多くある所は、逆に良い点でもあります。というのも「お客様にできる事、できない事」がハッキリしているので、仕事をする側にとってもお客様にとってもシンプルで分かりやすいです。国内のフルキャリアではケースバイケースで責任者判断なんて事もあるので。
2つ目は、1便を担当する人員が少ない所の逆に良い点です。便数が多く規模が大きい空港や航空会社ほど、1人が担当できる業務の領域は分散されます。それに比べてLCCは1人が担当する業務の領域が多いので、飛行機を自分たちで出発させたという実感がより強く感じられます。
3つ目はお客様に覚えていただいて声をかけていただいたり、感謝してもらえる点です。これも人員が少ないからかもしれませんが、LCCを担当するようになってから「君、この間も担当してくれた人だ!この間はありがとうね!」などと声をかけていただける事が増えました。この仕事を何年やっていてもお客様からの感謝の言葉は嬉しいもので、こういった機会が増えたのはLCCならではかもしれません。

【これからグランドスタッフを目指す方へのめメッセージ】

―ありがとうございます。それでは最後にグランドスタッフを目指す方にメッセージをお願いします。
はい、上手くお話できたか分かりませんが、最後までお読みいただきありがとうございます。グランドスタッフは大変な仕事という話もたくさんありますが、勤めていくうちに1つずつ苦労が減って、苦労が1つ減ると楽しみが1つ見つかってきます。私は7年も務めていると苦労する事も楽しみに感じられるようになってきました。たくさんの壁にぶつかるかもしれませんが、なりたいと思う強い気持ちと楽しむ気持ちを持って是非挑戦し続けて下さい!

―本日はありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。

【まとめ】

LCCの旅客ハンドリングならではのメリット・デメリットについて伺いました。
今回お話を伺ったのはハンドリング会社にお勤めでLCCのハンドリングを担当しているグランドスタッフさんでしたので、フルキャリアのハンドリングとの違いが聞けました。接客方法なども細かく使い分けているのはさすがでした。
違う航空会社のグランドスタッフの仕事が同時にできるのはなぜ?と気になった方はマイターミナルのコンテンツに「航空会社に就職せずグランドスタッフ・グランドハンドリングスタッフになる4つの方法!」という記事があるので併せて読んで、理解を深めてみて下さい!