コロナウイルスが及ぼす航空業界と採用への影響

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コロナウイルスが及ぼす航空業界と採用への影響

11兆8000億円の損失が発表

11兆8000億円の損失が発表
国際航空運送協会(IATA)が3/5日、
新型コロナウイルスの影響により、航空会社に11兆8000億円の損失が発生する恐れがあると発表しました。

実際にマイターミナル上の求人も大幅に減少しておりますし、
業界の事業者や働いている方やこれから目指す方にどのような影響があるのか含め
今回は新型コロナウイルスが及ぼす航空業界への影響というテーマで記事を書いていきます。

なるべく分かりやすく解説しますので、
就活や転職の予備知識にもお役に立てていただければと思います。

なぜそれほどの影響が出るのか

コロナウイルスの感染拡大により航空業界へ影響が出てしまう理由は皆さんがご想像の通り、
単純に人が移動しなくなり、飛行機を利用する方が減るからです。

渡航制限、旅行の自粛、出張キャンセル・リモートへの切り替えなどにより、飛行機の利用旅客は減少しています。
航空会社の旅客収入は利用旅客の減少と比例して減り、
11兆8000億円という数字は世界の旅客収入の2割程度と言われてます。
これを受け破産申請をする航空会社も出てきています。

ではなぜ旅客収入の2割が減少すると破産する航空会社が出てくるのでしょうか。

その答えは
『航空会社のビジネスモデル』にあります。


航空会社は固定費の割合が極めて高い為経営環境が厳しく、破産の可能性が極めて高い業界という現実があります。

具体的には
・航空機の減価償却費・リース料
・空港費
・航空保険料
・借入金利息
・従業員人件費
のような固定費です。

航空会社に迫られる対応

破産を避けたい航空会社に迫られる対応は

『減便』+『リストラ』です。

減便することにより、1便当たりの収益率をなるべく維持し、
リストラすることにより、固定費のうちの人件費を抑える
ことでしか命を伸ばす事できません。
(もちろん航空会社によって状況は異なりますが。)

またフルキャリアとLCCでも状況は異なります。

フルキャリアの場合は余剰人員と機材を多く抱えており固定費が重く、
破綻やリストラの可能性は高いです。

一方LCCも機材や人員は少なく、元々収益率は高いものの、
フルキャリアに比べ経営に余力がありません。

いずれもコロナの終息が先か、会社の体力が尽きるのが先か、国の救済が先か。
という状況です。

航空会社以外の業界事業者と採用への影響

航空業界には航空会社だけでなく、関連事業者が数多く存在します。

空港運営、空港地上支援、航空機整備、車両整備、貨物・物流、ケータリング、コンタクトセンター、警備 etc....

それらの事業者を含めると11兆8000億円ではおさまらない事は間違いありません。

飛行機が飛ばなければ、それらに付随する業務を行っている会社にも影響が出ますので、
固定費の割合は航空会社ほど高くなくとも、
業界全体を見れば11兆8000億円ではおさまらず、破産する関連事業者が存在する事は間違いありません。

これらの事業者も生き延びる為、
航空会社と同じようにリストラや採用人数の抑制が発生します。
私が知る限りでも入社時期の延期や採用活動の中断、休暇取得の促進が多くあります。

航空業界で働いている方、目指している方へメッセージ

今回のコロナ騒動で業界で働くことが不安な方も数多くいらっしゃいますし、
既に大きな影響を受けている方も多くいらっしゃると思います。

マイターミナルも求人の掲載が減り大変な時期が続いておりますが、
航空業界の為にできる事は手を尽くします。

コロナ終息の見通しは立ちませんが、必ず航空需要は回復するはずです。

飛行機を利用する方が元に戻れば雇用も安定しますし、採用も再開されます。
コロナが終息すれば、感染の心配もなく職場で働く事もできます。

不安が続きますが、まずはできる事から、
業界全体で手を取り合って頑張りましょう!